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Apron







平日の午後。
職員室の自分の席で宿題のチェックをしていた八戒は、
ふと真横の席から大きな溜息が漏れるのを耳にした。

「…どうされたんですか、美蘭先生?」

そう声を掛けられたのは八戒よりも3歳ほど年長の教師、美蘭。
一見冷たそうに見える美人だが、
実はかなりサッパリとした気性の女性だ。

ここは学校と言っても、小さな街の小さな学校。
従って教師も十数名しかいない。
その内、大半はオジサンの教師ばかりなので、
数少ない若者教師の二人はかなり仲が良い。
ただ普通なら、その仲も怪しまれてしまう処だろうが、
この街で『若奥さん』と云う認識がなされている八戒が相手では
誰も気に留めていないようだ。
増してその八戒も『美人教師』に違いないのだから。
同様に若妻である美蘭と八戒が何かヒソヒソ話をしていれば、
周囲は照れくさいらしく、話を聞かないように離れたり、
席を外して貰えたりするほどなのだ。

「あ、八戒先生…。ゴメン、今の溜息、聴こえちゃった?」

作業の手を止めてまで心配そうに見詰める八戒に、
美蘭は申し訳なさそうだ。

「いいえ。…でも何か悩み事でもあるんですか?
僕で良ければ…話すだけでも楽になるかもしれませんし」

「そうね…。あのね、ウチの旦那のことなのよ…」
「はぁ…ご主人ですか…?」

ふと八戒は美蘭の夫の顔を思い浮かべた。
何度か会ったことがあるが、優しそうな男性、と言う印象が残っている。

「あのご主人がどうかされました…?」

美蘭は周囲をキョロキョロと見回して、口を開いた。

「ウチ、今セックスレスなのよね…」
「……!!」

驚きの余り、八戒は持っていた赤ペンを落してしまう。

「え…?……でも…新婚さんなのに?」

八戒も思わず辺りを見回してから、美蘭の耳元で訊ねた。

「そうなの…。ウチの旦那ってああ見えて結構スケベなんだけど、急に、よ!
…何考えてるのかしらっ!」

美蘭はサッパリしている分、気性も荒い。
その上、あまり羞恥心などは感じないタイプだったりするので、
そばにいる八戒のほうが恥かしくなってくる。

すると一人で怒りに燃えていた美蘭が、急に八戒の顔をじっと見つめてきた。

「八戒先生…。貴方も気を付けたほうがいいわよ。
明日は我が身…だからねっ」

睨みを利かしてそんなことを言われても…と八戒は思いつつ、
ふと心配になってきてしまった。

「やっぱり刺激が足りないのかしら…?コスプレでもやってみるか…」
「…コ、コスプレって…!!(///)」

赤い顔をしながら悩んでいる八戒を尻目に、美蘭の暴走は進むばかりだ。

「…ナースとか…セーラー服とか…あっ、スッチーとかもね…。
買って帰ろうかな…?」
「あ、あの…美蘭先生…」

段々と声が大きくなっていく美蘭を宥めようと努力するが、
全く聞き入れてもらえない。

「…あ、『裸エプロン』とかもあるわね…。あれは男のロマンだそうよ」
「〜〜っ!!(///)」

もはや絶句状態になった八戒はそのまま凍りつく。

カランカランッ!
「あ、予鈴だわ。大変っ!…じゃあっ八戒先生っ!」
憎らしいほどサッパリ気性の美蘭は、明るく八戒の肩を叩くと、
職員室を出ていってしまった。

「あの…八戒先生。ペンを落されましたよ…(///)」
「…はぁ…すみません…(///)」

後に残されたのは八戒と……
若妻二人の会話をウッカリ聴いてしまった可哀想な男性教師達だった…。




ライン





「ふうっ…あとは煮るだけですね…」

仕事を終えて帰宅した八戒は、夕飯の支度をしている最中。
グツグツと煮える鍋を眺めながら、ふと美蘭の言葉が蘇ってくる。

「悟浄と僕も…その…セックスレスとかになっちゃったり…するんでしょうか…?」

端で聞いていれば、そんなことは絶対に有り得なさそうな話だが、
八戒は変な処だけネガティブだったりする。
あんなに美人で性格も良い美蘭先生ですらそんなことになるのなら…。
自分だって、そんな身の上にならないとも限らない。

「…でもそんな…。コスプレって言われても…。
僕に買いに行けって言うんですか…?」

これまた端で聞いていたら笑える話だが、本人は至って真面目だ。
本当に不安になってしまっている。

「ナース、セーラー服、スッチー…。
僕にどうしろっていうんですか…。ウチにあるのは…」

ふと思いついて、今自分が身に付けている、緑色のエプロンを眺めた…。




ライン





「はっか〜いっ!たっだいま〜ハート
「あ、悟浄っ!お帰りなさいっ!」

玄関からの声に八戒は慌てて出迎えた。

「…あれ?八戒…。いくら最近アッタカイからって…ノースリ・ワンピは寒くない?」
「……」

黙っている八戒に、悟浄は。

「ま、可愛いからイイケド。やっぱお前は緑が似合うよなハート

などと言いながら、お帰りのキスをしてもらおうと八戒の躰を抱き寄せた。
大体、一応男である八戒がノースリーブのワンピースを着ることに
疑問を感じない辺り、悟浄も腐っている(笑)。
剥き出しの背中を撫でながら何度も軽いキスを繰り返すうちに、
堪らなくなって小さなお尻に右手を廻した。

「…?……。………っ…!」

キスをしながらお尻を撫でていた悟浄の手がふいに止まる。
唇を急に引き剥がして八戒の躰を回転させると――。

「お前っ…!なっ!!」
「……(///)」

そう、八戒が身に付けているのはノースリーブのワンピースなどではなく、
愛用の緑のエプロンで。
ただいつも通りではないことは…素肌に着用…と言うコトなのだ。

「…悟浄…。こういうの…嫌いですか…?(///)」

消え入りたいほどの羞恥を感じながらも、
悟浄を誘うべく少し唇を開いてエプロンの肩紐を落す。
胸の辺りの白い肌を露わにさせて、上目遣いに悟浄を見つめた。

「…ざけんなよ…」

低い声の返答に、八戒の躰がビクリと震える。

「……ごめんなさいっ…着替えてきます…」

恥かしいやら、情けないやらで泣き出しそうになりながら
八戒が走り去ろうとする。
それに悟浄の長い腕が伸びてきて、あっという間に抱き込んだ。

「イケナイ奥さんだな…。こんなに煽ってどうすんの?」

八戒の白い手を掴んで、自身を触らせる。
「…あ…(///)」
手の平に感じる悟浄は、八戒にその興奮の度合いを教えるのに充分だった。
ズボン越しですら、熱く感じられる。
悟浄のものに触れているうちに、八戒も自分が興奮し始めていることに気付いた。

「責任取れよ…?今夜は泣いたって許さねー…」
「…はい…(///)」

八戒の華奢な躰を横抱きにすると、悟浄は寝室へと急いだ。




ライン





「アッ…んン…」

ベッドの上に縺れ込むとすぐに、息も出来ないほど激しいキスを繰り返される。
舌と舌が擦れ、唾液の泡立つ音が部屋中に響いている。
唇の端から二人の唾液が零れ落ちるのを、悟浄に舐め取られ、
それすら八戒の熱を煽っていった。

喉仏の目立たない首筋を吸い上げ、紅い花弁を散らしながら、
悟浄の指が胸を弄り始める。
布地の上から尖りを強めに引っかかれて、八戒がくぐもった声を漏らす。
次第に悟浄の指はエプロンの脇から侵略してきて、
直にその部分を摘んでくる。
片方の肩紐を擦り下げて現れたピンクのソレを尖らせた舌で
丹念に舐め取られ、八戒は甘い声を抑えられない。

「…イイっ…あン…ンぅ…」

ピチャリと音を立てながら乳首を吸い上げる悟浄が、
悪戯な指を下におろしていき――。

「ん?…なんだこれ?」

下腹部の辺りで何か手ごたえを感じたらしく、
悟浄が不思議そうな声を上げた。
エプロンの腰の部分に付いているポケットに手を入れ、ゴソゴソと探り始める。

「…え?なんですか…?」

急に愛撫をやめられてしまった八戒が不満気に訊ねる。
ポケットから出てきたものは。

「…ああ、それはアームバンドですよ…。
水仕事とかするときに腕に付けて袖口を濡らさないように…」

上がる呼吸を抑えながら、八戒が悟浄の疑問に答えた。
悟浄の知る限り、アームバンドというのは金具の付いたものしか思いつかないが、
これは輪っかになったゴムに白いレースをあしらったもの。
そう言えば、洗い物をしているときの八戒の二の腕に付いているのを
見たことがある。

「いーもの見っけっ!」

ニヤリと笑った悟浄は、アームバンドを手にしたまま、エプロンの裾を捲る。

「…なっ、なにをっ?」

ジタバタと暴れる八戒の躰を片手で押さえ付けながら、
もう片手で器用にアームバンドを二重にしていく。
八戒の真ん中で既に勃ち始めているペニスを摘むと、
そこにアームバンドを嵌めてしまった。

「――やぁっ!…ゴジョッ!」

先端に巻きつくアームバンドを悟浄の指が根元まで滑らせていく。
根元にむかうほど太くなる為、レースが捩じれていくごとに、
それは八戒を締め付けていった。
ようやく目的地に到達させると、
悟浄は完全に勃ち上がって震えるペニスの裏側を舐め始めた。
そんな刺激に堪え性のない八戒の躰が耐えられるはずがない。
しかし戒められたそこは爆発させることも出来ない。

それでも先端からは漏れ出すように蜜が少しづつ零れていった。
逃げ場のない快感に身悶える八戒に、悟浄は更に追い上げるべく、
染み出た蜜を指先に絡めとリ、
ペニスを咥えながら後庭にしのび込んでいく。
襞を捲られ、指を突き挿れられて、
節ばった指が内部でバラバラに動き、
中のジュースを飲み込むようにペニスを吸い上げられて、
八戒は全身を大きく震わせる。

「…はぁ…っ……ごじょうっ…ねぇ…きて…」

瞳から涙を溢れさせた八戒が、恥じらいも忘れて悟浄に強請る。
ここまで追い詰められた八戒をこれ以上焦らす意味などないし、
悟浄の我慢も限界に達しようとしていた。

「…わかった…。挿れる…ぞ?」

何度も小さく頷く八戒に子供のようなキスを与えて。

「――ああっ…はっ!」

全てを奪うように深く突き上げた。

二人の腹の間で震える八戒のペニスの戒めを解きながら、
もう一度深い部分を犯す。
それと同時に八戒の先端からは今まで塞き止められていたものが、
一気に溢れ出た。
そして蕾の締め付けもキツクなる。

「――くぅ…っ!はっかいっ…!」

何とか自分は解放しないように叱咤しながら、
悟浄は意識を飛ばす八戒の躰を揺らし続けた。
貪欲な八戒の躰は、一度放出を終えても再び快楽を貪るべく、
悟浄を食い締め始める。
ベッドが激しく軋み、二人の息が荒くなっていく。

「…はっかいっ…!――ッ!」
「――あぁっ――ンっ!!!」

同時に欲望を吐き出し、汗に塗れたベッドの上で、快楽の海に溺れていった。




ライン





「はぁ――――っ」

翌日の朝、八戒は知らず知らず漏れる溜息を抑えられずにいた。

「あら、八戒先生。どうしたの?」

今回の元凶となった美蘭が暢気に訊ねてくる。

「…い、いえ…なんでもありません…(///)」

直接、美蘭が悪いのかと言えばそうではないのだが、
彼女に乗せられた(?)せいで八戒は明け方まで散々、
泣かされ続けたのだ。
勿論、最後までエプロンの紐が外されることはなかった…。
しかしまぁ…悟浄がセックスレスとは程遠いことは嫌と言うほど判ったのだが…。
お陰で寝不足だし、身体がだるくて仕方ない。

「ふーーん…」

そんな八戒をジロジロと見廻した美蘭が思いがけない言葉を口にした。

「何?『裸エプロン』でもしたの?」
「〜〜!!(///)」

あっさり言い当てられて、
八戒は思わず椅子から立ち上がってまで驚いてしまう。

「やっぱりね…。だって八戒先生、
『僕、昨夜はいっぱいサレちゃいましたハート』って顔してるんだもの。
すぐに判っちゃったわ。
簡単に用意できるものなんてエプロンくらいしかないだろうしね」

まぁまぁ、座ってよ。と椅子を軽く叩きながら微笑む美蘭が
悪魔に見えてきた。

「…ちなみに美蘭先生はどうだったんですかっ?!」

語尾に思いっきり怒りマークを付けて訊ねるが、
美蘭は全く気に留めてなさそうだ。

「ああ、ゴメン。ウチの旦那、体調不良だったんだって。
心配すると悪いからって黙ってたらしいのよ。
私にそんな遠慮することないのにねぇ…?なので昨夜はちゃんと…」
「ちゃんと…って…コスプレは…?」

「は?する訳ないじゃない?八戒先生じゃあるまいしハート

目の前でピースサインを見せ付けながら、
「じゃあねハート」と美蘭は立ち去っていった。

「…もうっ…(///)。どうやって仕返しをしてやりましょうか…?」
フフフ…と不吉に笑いながら、八戒は美蘭への報復措置を考えていた、
その頃――。


「…八戒先生って、普段はしっかり者で頭も良いのに、
旦那さんのこととなるとお馬鹿ちゃんになるのよね…。
…萌えよねぇハート…またからかっちゃおうハート

悪巧みをしつつ、嬉しそうにスキップをする美蘭の姿があったとか…。



その夜。
お釈迦になったアームバンドの替わりをお土産に帰った悟浄が、
八戒の八つ当たり用ターゲットにされていた…。






End


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トモコ様に戴いたこの話の元ネタ。
クリックすれば大きいのが見れます。
『イタダキモノのお部屋』にて。


左に同じく、トモコ様より。



アトガキ
久々にメチャ悪乗りして書きました。
メチャ楽しかったわハート
トモコさんが下さった例のブツを眺めていれば
湯水の如く、ネタが湧いて参りました。
ただ八戒さんにあんな格好をして貰おうと思うと
八戒さんがしようと思う理由がいるな〜となり
ダラダラと長くなっちゃいました(笑)。
で、久々にオリキャラ。
美蘭さんは八戒さん好きな
皆の代表って感じで書きました。
絶対ヤオイ好きだぜっ(笑)。





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